愛知県岡崎市 石川悟さん

愛知県岡崎市 石川悟さん

 「安全な野菜が食べたい」と、サラリーマンから農家に脱サラ転職した石川悟さん。『失敗ばかりでお金に困るようだったら、私がパートでもアルバイトでもするから始めてみようよ!』と無農薬栽培に飛び込ませたえりこさん。若い若いお二人、石川夫妻のお話です。

 舞台は愛知県岡崎市。
天下人徳川家康公が生まれた町として逸話や史跡が市内各所に残る歴史の町。しかし今では、名古屋まで電車で20分ちょっと。隣町がトヨタ車の町、豊田市であることからベットタウンとして人口が増加。石川さんの畑の近くでもマンション建設が立ち並ぶ。
 有機、無農薬栽培を始めて早3年、妻と1歳の娘が一人の3人家族。
八ウス約300坪、露地約1500坪の畑で旬の野菜を年間約40種類程度の作付け。栽培品目は、ほうれん革・コマツナ・みず菜などの野菜を市場に出荷。その他、いろんな野菜を作り産直に出荷してます。

ヤバイぞ 野菜

 なぜ?脱サラしてまで無農薬で農業をしてみたいと思ったのか?
 それは5〜6年前に今、地球環境がだんだんおかしくなっている事を知つたこと。そして、地球環境だけでなく、人間の体内の環境も。水。空気の汚れ。食品添加物。化学肥料・農薬野菜を食へる事によってガン、アトビー、免疫力低下に伴う病気などが急増している事。ショックでした。そんなものを食べ、口の中に入れていたのかと思うと今でもゾツトします。だからこそ、安全な食品が食べたい!安全な野菜が食べたい!
 まあ、自分の実家も専業農家で、農地の一部を貸してもらえるという環境があったからかもしれませんが。


虫食いだらけで売れんよ

 無農薬で始めるまでにいろいろとありました。実家は一般的な農家に比べると、化学肥料、農薬の使用量は少ないほうだと思いますが、それでも大量に使います。そんな農業を見て育ってきたこともあり、無農薬で野菜は作れないのか?と疑問はありました。ある日、親に「無農薬で野菜は作れないの?」と聞いてみると、即答。「そんなもんできるわけがない、虫食だらけで商品にはならん。」「絶対できない」でした。

 農業普及所にも行って、相談してみました。「安城で無農薬栽培はできませんか?」「この辺で無農薬栽培されている方はいませんか?」どの方も難しい顔一つせず、「この辺では無農薬はできないと思うよ」「この辺で無農薬で農業をしている人は家庭菜園の人以外はいないと思うよ。」ですよ。農薬・化学肥料を使うことは当たり前なんですね。
 それでも世の中には、無農薬の野菜がある。だから絶対できるはずだ。どんなに反対されても無農薬が頭から離れませんでした。
 今から5年前。サラリーマンをやめ、実家の農業の手伝いをしながら、有機無農薬で野菜つくりをしている農家や団体を見学・体験させてもらいました。愛知県では下山、岐阜県、三重県、静岡県、長野県、滋賀県、和歌山県、九州の大分県、群馬県など、無農薬と聞けばどこへでも行きました。


不安がどんどん大きく

 この無農薬行脚の結果。無農薬栽培を行なうのに2つの問題があることがはっきりしました。
1つは、見学させてもらった畑はどこも山、または山の近くであった事。(私は都市近郊ですので)  2つ目は売り先の問題。一般的な市場に出荷をされている方はいなく、直売か、宅配での販売をされていたということ。これに関しては農業を始める時からもっていた不安です。せっかく無農薬でこだわったいい野菜ができても一般の野菜と同じように扱われたりしたら、やっていけない。野菜は相場もの。毎日野菜の値段がコロコロ変わり、安い時と高いときでは野菜の相場が7〜8倍変動してしまい、安定した収入が得られない事を知っていたからです。これは、私だけでなく、市場に出荷している農家すべての人にある問題だと思いますが。


男ってダメですね。

 無農薬栽培をやってみたいと思いはあっても、この不安がぬぐいされず、スタートが切れずにいました。
 3年前、農業・有機無農薬栽培に興味のある今の妻と結婚。不安を抱えたまま、煮え切らない私を、妻の一言が小さな一歩を踏み出させてくれました。その一言とは、「この辺で誰もやっていない事に挑戦しようとしているのだから、始めは失敗したってあたりまえじゃん、失敗を繰り返しながらいい物ができるようになれはいいじゃない。」「失敗ばかりでお金に困るようだったら、私がパートでもアルバイトでも何でもするから始めてみようよ!」 不安を抱えながらも、有機質肥料のみ使用し、除草剤や化学的な農薬はいっさい使用せずに野菜を作る農園。有機・無農薬栽培のファーム石川が、スタートしました。


宝物。貝〜つけた。

 一昨年前のこと。困ったことが発生しました。八ウスで作っていたほうれん革に、アブラムシがびっちり。ものすごい数がついてしまったのです。今の農法では問題があるのではないか。何かいい農法はないだろうかと、インターネットで調べていた時、玄米アミノ酸農法を見つけました。正直、「こんな農法ありえないだろう、うそだろう」と思いながらも何か気になり、とりあえずアミノ酸液を1本購入。

 さすがに、べた−っとアブラムシが付いてしまったほうれん草には、仕方なく農薬を散布し無農薬はあきらめました。そのあとせっかくだからと試しにアミノ酸液をかけてみました。
 玄米アミノ酸 液体をかけて2週間ぐらい。ちょうど収穫適期。収穫してみてびっくり素晴らしい色艶、形の良いほうれん草に成長。長い間アブラムシが付いていたので、期待していなかったのに本当に驚きました。それから玄米アミノ酸を使うようになってからは、市場では必ずと言っていいほど市場最高値で取引されるように成りました。

 驚くべき事がもう一つ。この年は、さつまいものできがわるく、あまり甘味のないさつまいもに、お客さんからは甘くない、おいしくないとの声が。中には「こんなおいしくない芋売ってはいかんよ」とまで。心にグサリ。でも、倉庫には収獲した芋がまだたくさん。
どうししふう?

 そのときふと思いついた方法が、玄米アミノ酸 液体に浸すこと。
 芋を30分〜1時間。500倍〜1000倍に希釈した玄米アミノ酸液の中に漬け込んで一日、天日干しをしました。すると同じ芋とは思えないぐらい甘くておいしい芋に大変身。それからはすべてのお客さんから「甘くておいしい芋だね」と言われ、中には「こんなに甘くておいしい芋初めて食へたよ」とまで言われることもありました。やってみるものですね。
 


うれしいことは、続き

 とにかく野菜がおいしくなった。野菜が健康になったといった方がいいのかも知れませんね。
 こんなうれしい出来事もありました。お世話になっているある一人の人に野菜のセットをプレゼントしました。「とってもおいしいのでこれからセット野菜を買いたい、お友達にも紹介したい」と言うのです。お友達の方もまたお友達を紹介してくれ、あっという問に20人ぐらいの方から野菜がほしいと注文が入りました。
それからは、あれよあれよと。

 お店をやっている方からも「野菜のセット販売を販売させてもらえないか?」という店舗が2店。お店に専用のコーナーを設けて販売したい。作業場まで取りに行くから売ってほしいと商談話。健康食品販売を取り扱っている業者さんからも会員さんに募集をかけてセットの販売を始めないかというお言葉まで頂きました。

これから

さまざまな方のおかげで、今年の夏野菜からはセット販売を中心に販売していく事になりそうです。
 もちろん、これからいろんな難しい事も出てくるかと思うます。脱サラして2年間野菜つくりの勉強をして独立、たった3年で念願の市場の価格変動に左右されない販売方法で野菜を栽培できるようになりそうです。
もう、ワクワクしてます。
畑があるないかかわらず農業を始めてみたい方、農業を教えるほど農業をわかってはいませんが、一緒に勉強してみたい方募集しています。
 安全な農業を応援してくださる(ボランティアでお手伝いしてくれる)方も募集しています。

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